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  • 執筆者の写真Aarteeni

それはどんな物語のはじまりなのか(コンステレーションについて)

このたびの台風も、本当に大きかったですね。

被害にあわれた方々が、

一日も早く安全に、安心して過ごせるように

心からお祈りいたします。

うちの方は何事もなく無事でした。

祈りつつ、できることを粛々としていきますね。


コンステレーション、という言葉があります。

ユング派の考え方で、


一見なんの関係もないような

心の内側に生ずるものや身体症状、

出来事、外側の事象に

全体的な意味やつながりを見出したり

あるいはそれら全体で

「星座(コンステレーション)」を形成している

とする考え方。

ちょうど台風直撃の日、

ぼんやりYouTubeを見ていたら

この動画にたどりついてしみじみ見入ってしまいました。






河合隼雄先生、

昔一度だけ講義を聴きに行ったことがあるけど

ユーモアがあって、ほんと後光がさしてるようでしたよ

12分ころの易のたとえがわかりやすいですね。

故郷へ帰る青年が、

占いをきっかけに「不安」という情動が湧きだして、

その「不安」からさまざまな思いを馳せていく話。


似たような事、ありますよね。

たとえば

家族や身近な人との間で「問題」が起きた時。

からだに気になる症状が出た時。

ショックな出来事や

いつもこうなってしまう、というパターンがあるとき。


そんな時に


「だからあいつはダメなんだ」

「いつもわたしは不運」


なんて感じるのは

とても自然なことですけど


だれかや自分自身を

断罪して

切り離して

我慢して

それだけでおしまい、にするのは


ある意味もったいなく

いっそう苦しいことかもしれません。

そのできごとはもしかしたら、

あなたの人生のにこれから織りなされる

なんらかの星座のうちの

ひとつの星かもしれないからです。

なんて書いていくと、

「ポジティブシンキングのすすめかよ」

と思う人もいるかもしれませんけど



単に

「だから前向きにいきましょう☆」って

言いたいわけじゃないんです。


無理なポジティブは、わたしだって苦しい。

ショッキングな出来事を前にして

泣いたり落ち込んだり腹が立ったり

いろんな感情が湧くのは当然です。


そののち

その奥から、

ふつふつとなにかが

コンステレートしているのに気が付くことがあって 

または共時性(シンクロニシティ)をもって

なにかがあらわれているのを見つけることがあって

それが本質的な自分に近づく契機に

なることって

本当によくあるんですよ!!

ということを言いたいんです。

わたしの場合は

自分の健康面や家族関係や

経済面、仕事面が壊滅的で

「人生詰んだわ」と思ったとき。


やっぱり感情も思考も

土台ごと揺さぶられましたけど


その「揺さぶられ」で

こころの地層深くに埋まって(埋めて)いた

怒りや悲しみや絶望、無力感や罪悪感

あきらめていた「こんな人生にしたい」という願望や

自分を守るため、生きるために

身に着けた

忍耐・自己否定などのパターンが

地表に浮かび上がってきて 

そのことが

まったく新しい別の星座をつくるきっかけ

次々とその先につながっていくきっかけに

やっぱりなりました。

そして、もちろん私だけじゃなく

セッションにお越しくださる方から

似たようなお話、いっぱい伺います。

そこには物語の次の章を展開していくような、

感動もたくさん。


あたらしい星座を創っている(発見している)方々に

共通しているのは、


「せっかく浮かび上がったものを、

また地層深くに埋めてない事」。

ふと思い浮かんだやってみたい事を

行動に移したり、

抑圧してきた気持ちがあるとわかったら

口に出したり涙で流したり。

今までの古い心や行動のパターンを、

勇気を出して変えてみたり。 

そんなふうに奥からいったん出てきたものを

見殺しにしないで

自分で受け止めてあげていることです。

出てきたそれらは、

命や魂の流れとしてまっとうな

なにかかもしれないですから。

未知のものはたいてい怖いので

また埋めてしまうのは、ある意味ラクです。

けれども心の土壌がクリアになったら、

そりゃあそこから育って実となる現実だって

変わるわけで。


本当はそっちの方が、

本質に沿っているからか

豊かで

スムーズで、

心地よい場合が多いんですよね。 

いま、心をゆさゆさと揺さぶられ

次の星座の気配がしている方、

とっても多い気がします。

つらいこともあるでしょう。

つらくてもう嫌だ、という時

思うままに嘆いたり

十分休んだりしたあとは

そのふつふつと湧いてきたものも大事にすると

「こんなことになるとは、あの時思えなかったな」

ってあとから振り返られるような

嬉しい、美しい展開になっていくかもしれないですね。

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