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  • 執筆者の写真Aarteeni

『君たちはどう生きるか』と「態度価値」(ネタバレなし)


先日『君たちはどう生きるか』を観てきました。


一次感想はnoteのほうに。

ネタバレあります。












こちらのブログでは

ネタバレなしバージョンなので

まだ観てない方も

どうぞおつきあいください。




フランクル心理学の「態度価値」



アウシュビッツ強制収容所からの生還を描いた

『夜と霧』の著者であり

精神科医でもある、

ヴィクトール・E・フランクルは


人が

「人生でほんとうになすべきこと」を

見つけるための手掛かりとして


次の価値領域を示しています。




それが



創造価値


体験価値


態度価値



の3つ。




創造価値は

主に仕事や創作を通して実現されるもの。


イメージとしては「DO(する)」な感じ。

なにか生み出したり提供したり。




体験価値は

人とのつながりで実現できる価値。


人と人とのふれあいで喜びや愛を感じると

それが生きる力になったりしますよね。





そして3つめの態度価値。



これは、


「自分に与えられた運命に対してどういう態度をとるか」。



どういう姿勢で

自分の人生に起こることに向き合うのか、

どういう意味付けや受け止め方をしたり

どんな自分自身をわかっていくのか


それによって得られる価値のことです。





『君たちはどう生きるか』は


3つの価値すべてに言及しているともいえるし

この「態度価値」を

根底に問いかけているようにも

個人的には感じました。





人生が、わたしたちにどんな意味を問いかけてきてるのか



自分にとって不本意なつらいこと、

こんなこと起きてほしくない、と

否定したくなるようなことが起きた時




そこから目を背けて

自分が気持ちよくなれる所に逃げたり

(ニセスピリチュアルとかそうなりがち)

誰かのせいにしてばかりいたり

その「問題」の消滅に躍起になったりするだけではなく




この「問題」は自分に何を気づかせようとしているのか


どんな意味やメッセージを届けようとしているのか


これが大切なことを教えようとしているのなら、なんなのか




を問うような態度、




いっそその「問題」や「否定したくなる気持ち」に

ドボンと飛び込んで宝を発見しにいくような姿勢が



自分の成長につながったり

人生を豊かなものにすることがあります。




まるで、


主人公の真人が

とある場所にずぶずぶと沈んでいったように。





それは

意識全体の5%しかない顕在意識(論理的思考)で

机の上であれこれ考えても

わからないことだったりします。




だってそもそも

誰でも、


この国で

この時代に

この姿で生まれることを

顕在意識で考えて決めたわけではないから。



そんなふうにうまれた命が

どういう方向の成長や

拡大を促されているのかも

やっぱり理解しにくいものなんだと思うんです。




だから、


思考のコントロールを外して

出来事が何を問いかけているのか

心や身体がなにを感受しているのか

大いなるものに敬意を払うように

謙虚に受け止めてみる。



そんなふうに

心をひらいていると


不本意なことがあったとしても



自分の中の、

もっと解放したり

癒したり

伸ばしたりする側面を発見したり


そのプロセスをへて

なすべきことに出会いそれを成していけたりする。



そしてそんな自分や

大きな流れを信頼し

生きることをもっと楽しめるかもしれません。




                   

「どんな時にも人生には意味がある。  

 未来で待っている人や何かがあり、  

 そのために今すべきことが必ずある」 

 ーヴィクトール・E・フランクル





「君たちはどう生きるか」

というタイトルのとおり


主人公(=宮崎監督?)はこう生きたけど、


さあ、


今の世を生きる君たちは

これからどうする?



問いかけられるような作品でした。

観に行ってよかったです。




***




この「問題」は

どんな意味を自分に問いかけているのか

それを知るツールとして


おすすめですよ。


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