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執筆者の写真Aarteeni

眠り続ける自分を抱きしめるようなこと

もう終わったので白状しますが


ここ数週間、わたし


「怒りの蒸し返し週間」を


過ごしておりました(笑)





数年前くらいに


「もういいや、許す」と思っていたはずの怒りを


感じ直していたのです。





しつこい。





そう、わたし しつこいのです!笑 





(なんでしつこいのか、それは後ほど・・・)









この怒りはもちろん自分の中で感じ直すだけなので


誰かと喧嘩したりぶつけたりしたわけではありません。


当然お仕事に影響出ない所での「私的活動」だったので安心してください


(イライラしたセラピストなんて嫌ですよね)。





ただ、


「よーし今日から感じ直すぞ!」


と意図して始めたわけでもないので


突然感情が湧いてきて、尽きるまで放出するに任せる感じでした。


自然現象のように。





なので正直


「いつまでこのイライラ期間が続くんだろ?」


とも思いましたけど、


ちゃんと着地点を迎えるんですよねー。





その着地点は


ざっくり言うと





「こんなに怒らせて、本当にすまなかったね」


「これからは、ちゃんと守るね」


という





自分自身に対してのゆるしと和解、統合です。








これは


一般的にネガティブと言われる感情の沼に


どっぷり入った後でもたらされた


恩恵みたいなものでした。





いま、なんだかとても清々しい気持ちです。


デトックスしたあとのよう。


(そして顛末を聴いてくれた友人に感謝・・・


聴いてもらえると整理され「手放せる」のです)。








偶然か必然か、


この時期読んだのが


村上春樹さんの小説『アフターダーク』です。


 









昏々と眠り続ける優秀な美しい姉のいる家から逃げて、


夜のファミレスで過ごす妹のお話。





単にある一夜のストーリーのようでいて


妹自身の、心の奥深いとある部分(姉で象徴される部分)と


和解、統合する話にも感じられます。





ラストで妹が姉を抱きしめ共に眠り、


(つまり心の中の影の部分を抱きしめ)


姉が目覚めの気配を感じさせるところは感動的でした。 





きっと


逃げたり距離を置く時期も大切で


でも時が来たら自然と向かい合い抱きしめることも大切。


どちらも大事なプロセスだったんでしょうね。








これに象徴される心の過程は


実際に多くの人に起こり得ることだから





逃げちゃいけない、とか


眠りすぎちゃだめ、とか


ずっとイライラしてるのよくない、とか


怒りを蒸し返して情けない、とか


本当はそんなふうに


湧き上がる気持ちを


縛らなくてもいいんだろうな、と思います。





なんでもあり。





自然に任せてそれと共にいたり、


自分が望む方向があるなら


「どうしようかな」と


方法を工夫したり何かを選んだりしていく。





わたしは心の奥深さを知るのが好きだし、心の成長に興味があり


そういうサポートをするのも好きなので


そういう方向での選択をしているのだなあと思います。








だから自分の心に対して


しつこく関わる感じになってしまうんですよね。








でも、しつこくしたことで


そういう「感受性のタイプ」が存在するということや


出来事の全体像の理解が追い付かなかったり


人間関係や背景や身に着けてきた価値観によって


「その場ですっきりさせておしまい」


にならないことが存在すると 


もう一段階、深く分かった気もします。 











自分の中の


「蒸し返さざるを得ないもの」


「眠り続ける姉のようなもの」は、


もしかしたら


「こんな自分いや」と思ったり


ちょっと怖かったり、不快なものだったりするかもしれない。








なので


「早くどうにかしなきゃ」


「これを解決するにはどうしたらいいか?」


「いっそ やっぱりなかったことに・・・」


などと考えたりもしてしまいますが


感情は自分の内側からのサインでもありますからね。





「それと共にいる」みたいなことも


時には必要なケースもあります。


(それをぎゅっと凝縮したのがセラピーでもあるかも)





そして


そこから得られた恩恵は


だれか偉い人の言葉より


確実に自分のものとして体感を持って信じられる


大事なものになりうる場合もあります。





「答えは内側に」


「自分を受容する・信頼する」って、


そういうことでもあるんでしょうね。


 


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