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執筆者の写真Aarteeni

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』~自分を大切にしたい人に

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』汐街コナ著 読みました。






ストレス過多で追い詰められ


「死ぬ」選択肢が救いのように思ってしまうまでの心境が


視覚的に分かりやすく書かれているのも素晴らしいですが





「世界はほんとうはとても広い」


「自分の命や人生を自分で大切にしよう」





というメッセージが軽いタッチですんなり伝わってきます。






名シーンは挙げるとキリがないのですが





「あなたが音楽家で、数億円の楽器を使用していたら


傷みが見えなくてもメンテするでしょう」





といったくだりのところも沁みます。





12億円のストラディバリウスを所有して


音楽家として仕事していたら


壊れるまで使い倒すことはないですよね、確かに。


壊れたらもう二度と手に入らないですから。





でもそれ、「自分」という存在も同じ


いえ


それ以上のものだよね?


と語りかけてくるシーン。





替えはきかず、自分以外に守ることができない


そんな大切な自分を 


目に見えるイタミがなくてもちゃんとSOSに気づこう


メンテナンスしよう


と、わかりやすく重過ぎず穏やかに伝えてくれています。








「自分が高価な楽器だとしたら」


というイメージ、私は結構好きです。





人のことや周りを気にしてしまうのはある程度必要で


人として仕方ない部分もあるけれど


優先順位は「自分の楽器」。





もちろん、人はみんな「高価な楽器」です。


自分だけストラディバリウスで、周りの人は違うということはありません。





でも自分をすり減らしてしまいがちな人は





「自分の楽器の価値」<<<<「誰かの楽器の価値」





になったりしがち。





良いコンディションで素敵な音が奏でられるように


自分のエゴで「まだ大丈夫なはず」とすり減らしたりせず





メンテナンスしたり


「傷つくのでやめてほしいなあ」と表現したり


あまりに楽器を保つのに不適切な環境だったら離れたりして


自分のことを守る。





それは相手の楽器を無碍にすることとは別物です。


 


自分の楽器が良い状態のほうが、


結果的に周りも大事にできたり幸せにしますしね。


せっかく良いものを持っているのに、傷んだままではもったいない。





その人だけの良い音色が聴けたほうが、自分も周りも嬉しいです。








他にも沁みるシーンたくさんあります。





人の心が追い詰められ余裕を失ってしまうケースは


なにも会社の仕事だけに限ったことではなく 


病気や障害や介護や育児


先の見えないなんらかの問題を抱えている時など


様々にあると思います。





なので「会社」は自分に関係ないという人にも


「死にたいほど追い込まれてないけど」という人にもお勧めです。





それにしても


絵や漫画の力ってほんとうにすごい!


言葉で伝わりにくいことも視覚的にわかるし


子どもや若い人も手に取りやすいし


好きな所をめくるだけでも心に届くし


疲れている人も楽に読める。





私も


「これ図で説明したらわかってもらいやすいなあ」


と思うことが良くあるので


伝わる絵がかける人、尊敬します・・・





著者の方のこの経験と才能が、


こういう漫画の形になって多くの人を励ましているのは


自分の楽器を大切にメンテしたからなのでしょう。





きっと誰でも、自分の楽器を大事に扱えば 


誰かを励ましたり幸せにしたりできるのだろうと感じます。









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