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  • 執筆者の写真Aarteeni

子ども時代のトラウマとうつ病(Yahoo!ニュースより)


今日のYahoo!ニュースに掲載されていました。





その記事によると


「ペンシルベニア大学の研究チームが先ごろ医学誌『Journal of Clinical Psychiatry(臨床精神医学ジャーナル)』に発表した論文によると、10代の終わりまでに女性が経験したストレスや心的外傷(トラウマ)は、閉経周辺期(更年期)になってうつ病を発症するリスクを高める要因であることが分かった。」


「サイトカインのような炎症誘発性の物質は代謝異常、心血管疾患、うつ病、認知的加齢の問題と関連している。子ども時代に経験した困難な状況が閉経周辺期のうつ病の発症につながるリスク因子であること分かった今、そうした経験がいかに私たちの心身に根付き、いかに閉経周辺期の女性の精神的健康に持続的な影響をもたらすのかを明らかにすることが重要だ」


とあります。





私は研究者ではないので詳しくはわかりませんが、


おそらくこれまでも「閉経期」にかかわらず


子ども時代のストレスと大人になってからの精神的健康の関連について


似たような研究はたくさんあったのだろうと思います。





が、「更年期の」「女性の体調」と限定しそれに関連付けて


比較的長期にわたって追跡研究がなされているので


こうして日本でもニュースとして取り上げられたのかな?と感じました。





いずれにしてもこううことがネットニュースで取り上げられて


多くの人の目にとまることは、


功罪あるにしても私はいい面のほうが多い気がします。



なぜかといえば、


「こんなこと(精神的な不健康)になるのは自分がダメなせいだ」


という自責の念に駆られている人にとって


「もしかしたら違うのかも」


と気が付くきっかけになるかもしれないから。





うつ病にかかる方は


人と同じように元気に動けなかったり


いつまでも心の調子が悪かったりした時、





「できないことが多い自分は弱いんじゃないか」


「やる気をもっと出せない自分は甘えているんじゃないか」


「そもそも自分は駄目な人間だから」





と自分を責める方向に向かいがちな方が多いように感じますが





そんな方がもしこういう記事を見て





この不調は、もしかしたら子どもの頃のトラウマによる脳の変化が引き起こしたものでは?





と、自分に当てはめて考えられれば





「弱さ」や「甘え」、「駄目」とは少し違うのかもしれない


と自分を責めずにとらえなおすことができるかもしれません。






その時作られた思い込みや刻み込まれた怖い思いによって


今自分にこういうことが起きているだけで、


ダメな自分だからできないわけではない。





そう思うだけで自責の念によるダメージが減り


(自分を責めると、エネルギー失いますから)


自分の健康の回復の一歩になりうる かも知れないなあ


と私は思います。





もちろん、うつ病の原因は様々です。


うつ病を患う人は全員トラウマがあってそれがすべての原因というつもりはありません。





ただ


「自分の不調は、なんとなく子どもの頃の出来事が関係している気がする」


「でもうつ病関連の本には、ほとんどそういうこと書いてない」


「やっぱり自分のストレス耐性のなさのせいだろうか・・・」





という思いで辛くなっている人には


こうした研究結果があり、論文も出ているという事実は


何かの一助になりうるなあと思うのです。





自分を責めることを少し休んで


もしかしたらそういう可能性があるかもしれない、という優しい視線を自分に向けて





自分の子ども時代を振り返り


その時感じた事を感じきったり


出来事をとらえなおしたりすることで





子どもの頃に採用した思い込みとは違う、


幸せに生きるための思い込みを作り、あらたに採用しなおすことも可能になります。





それは回復を目指すことのみならず、もっと自分らしい幸せな生き方につなげることだってできる。


自分が望めばですが


つらい症状が、自分の幸せへ舵をきっていくためのひとつのきっかけになる


そんな可能性もあるわけです。








私も経験がありますが、うつ病はつらいです。


頭など働かないし、考えるのさえ億劫で


とにかく休みたい、横になることしかできないという状態が続く時もあるでしょう。


そんな時は、身体が求めるままに十分に休むことが必要だと思います。





そしてこの論文の筆者が書いているように


投薬や運動や食事や心理療法等


そういった様々な方法も役に立つはずだと思います。





自分に向いている方法を試したり


休養の時期を十分に過ごして


なんとなく気分が上向いてきて


こんなネットニュースの記事がふと気になるようになれば


自分のペースで少しずつ


子ども時代を振り返るのも、悪くないかもしれません。

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