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執筆者の写真Aarteeni

『うつヌケ』に学ぶうつの抜け方


『うつヌケ』田中圭一著 


大変面白かったです!




発売されたばかりのようなので、


ネタバレしても申し訳ないので詳しくは控えますが


錚々たる17名の方々の「うつ病通り抜けエピソード」がどれも素晴らしく


それを漫画でさらに読みやすく


わかりやすく(気持ちに蓋をする画や重く圧しかかる様々なモノの画等…)


面白く表現されていたので



とっつきやすい軽さと本質の深さ両方を備えているような


そんな印象を受けました。




「自分を嫌いになること」


「‘子どもの頃の苦しい思い‘を心に閉じ込めておいたまま」


「身体の声を聴かない」


ことがうつの要因のひとつと描かれていたのも深くうなずけました。





私もほぼそうだったからです!





だから 


それらを解放できた療法を学んで


今こうしてセラピーを行っているわけなのですが


作中にも同じような癒しの経過をたどった方が数名いらしたのを見て


「ああ同じなんだなあ」と共感。





自分以外にも、こういったことを通過して


自分をより大事に思えて


光が差してくるという道をたどったことがある人がいる


という事実は


過去の私の気持ちを慰め


これからの活動の励ましになりました。





でも、この作品のさらに素敵なところは


17名の方々のそれぞれの「うつヌケ」の過程を描いているということ。





上記のような方法ではなく


自分なりのやり方や流れ、治療方法で


そこの部分と向きあい健康になっていった方ももちろんたくさん登場しているので


今トンネルの中で辛いなあと思っている人も


なにかしら自分にしっくりくる方法が見つけやすい気がしたのです。





癒しや心の支えというのは、かなり個別的なもの。





これだけをすればOK、という万人に共通したたった一つの方法というのはそんなになく


(残念ながらセラピーもそうです。私は素晴らしい方法だと思ってやっていますが)


性格や気質体質好みによって


様々なアプローチ方法があるのだろうと思います。





これは自分で探し、やってみるしかないのでしょう。


大変なことかもしれませんが


でも


自分にフィットするものを探す過程そのものも


自分を大切にすることにつながるのかもしれません。





実際登場した17名の方々の病との付き合い方の過程は


ページ数にしたら数枚ですが


本当に尊くひとつひとつ重みのある大切なものに


私は感じられました。





そして様々な人の、様々な角度からのアプローチを描いたうえで


たどりつく共通のエッセンス的なもの


本質的なものがまとめとして描かれているのも


説得力がありました。





アプローチはいろいろでも


結局人が目指したいところはひとつなんですね。





自分を嫌ったり


否定したり


無視したり


なにかしら自分で自分にハラスメントをし続ければ


身体から病気という形で警告が発せられるのは


うつ病に限ったことではないかもしれません。





そうしてまで、人は自分に好かれたいし愛されたいんだなあ。


そうしないと、生きていけないものなんだなあ、人って。


深いような、シンプルなような、面白みを感じます。

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